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BMWグループの研究・エンジニアリング部門では、自動車として初めて熱とパワーの結合により、最大15%(中型車でガソリン1.5リットルを節約)の燃費を向上させることに成功。ベースとなったのは、蒸気エンジンの原理。
Tue Dec 13 12:00:00 CET 2005 プレスリリース
2005年12月6日 ミュンヘン発:BMWグループの研究開発部門は、革新的なコンセプトに基づき、自動車として、最大かつ未開拓のエネルギー源の利用に成功しました。それは、熱です。テストベンチにセットされたBMW製1.8L 4気筒エンジンは、革新的な技術との組み合わせにより燃費を最大15%向上させ、10kW増のパワーを発生させると同時に、最大20Nmのトルクが測定されました。しかも、このパワーと燃費の向上には、動力源として排気ガスや冷却水の廃熱を利用しているので、ガソリン1滴分の費用もかかりません。つまり、この研究プロジェクトではBMWのエフィシェント・ダイナミクスの定義通り、少ない排気と消費で、よりダイナミックな走りと性能が実現されたわけです。
プレス担当者.
Yosuke Shiroshita
BMW グループ
電話番号: +81-3-6259-8017
Fax: +81-3-6259-8009
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著者.
Yosuke Shiroshita
BMW グループ
パワーロスを抑えて、より効率的に: BMWグループの研究・エンジニアリング部門では、自動車として初めて熱とパワーの結合により、最大15%(中型車でガソリン
1.5リットルを節約)の燃費を向上させることに成功。ベースとなったのは、蒸気エンジンの原理。
2005年12月6日 ミュンヘン発:BMWグループの研究開発部門は、革新的なコンセプトに基づき、自動車として、最大かつ未開拓のエネルギー源の利用に成功しました。
それは、熱です。
テストベンチにセットされたBMW製1.8L 4気筒エンジンは、革新的な技術との組み合わせにより燃費を最大15%向上させ、10kW増のパワーを発生させると同時に、
最大20Nmのトルクが測定されました。しかも、このパワーと燃費の向上には、動力源として排気ガスや冷却水の廃熱を利用しているので、ガソリン1滴分の費用もかかりませ
ん。つまり、この研究プロジェクトではBMWのエフィシェント・ダイナミクスの定義通り、少ない排気と消費で、よりダイナミックな走りと性能が実現されたわけです。
ガソリンエンジンで、全体の効率を最大15%向上
プロジェクト名は"ターボスチーマー"。蒸気エンジンの原理がベースとなっています。流体を熱することにより2つの回路で蒸気を発生させ、エンジンに動力を供給します。主
要なエネルギーを生むのは高温回路であり、熱交換器を介して内燃エンジンからの排熱を利用します。この技術により、排気ガスに含まれる熱エネルギーの80%以上が再利用さ
れます。蒸気はそのまま内燃エンジンのクランクシャフトに連結している膨張機に入っていきます。それ以外の余熱はエンジンの冷却回路で吸収され、ターボスチーマーの第2の
エネルギーとなります。この革新的な技術により、駆動系全体の効率を最大15%向上させることが出来ます。「このターボスチーマーにより、改めて内燃エンジンが将来的に発
展性がある技術であることを、再認識しました」と、BMW AGの開発・購買担当取締役であるブルクハルト・ゲッシェルは述べています。
現行車にもすっきり格納可能
この技術は、現在、テストベンチでの総合テストの段階にあります。設計は、現行のシリーズにも装置を取り付けることが出来るように配慮されました。いくつかのサンプルパッ
ケージでテストを行い、現行BMW 3シリーズなどの車にも搭載可能なように設計されたのです。4気筒モデルのエンジンコンパートメントには、膨張機を格納するのに十分な
スペースがあります。
10年以内に量産が可能
開発段階では、まず部品の簡素化と最小化に力を注いでいます。開発の長期的なゴールは、10年以内に量産を開始することです。
BMWエフィシェント・ダイナミクス・プロジェクトの全体像
BMWグループの研究開発部門では、BMWエフィシェント・ダイナミクス・プロジェクトの中期的な展望に沿って、市販車の開発を進めています。「本プロジェクトにより、燃
料消費や有害排気ガスを減らしながらも動力性能や俊敏性を向上させるという、一見すると相反していると思われる課題を解決していきます」というのが、ブルクハルト・ゲッ
シェルが要約したプロジェクトの中心概念です。BMWグループでは、特定のモデルの燃費が著しく向上するよりも、全モデルで少しずつ燃費が向上することの方が一般消費者に
とっては利益が大きいという方針で、技術開発に取り組んでいます。それゆえBMWは、多くの人々に行き渡るような最新技術の開発を優先しているのです。