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BMWモータースポーツディレクター、マリオ・タイセン氏インタビュー
Wed Jan 11 12:00:00 CET 2006 プレスリリース
ミュンヘン/ヒンウィル発 :BMWがザウバーの持ち株の大多数を取得してから、今日でちょうど半年が経ちました。ミュンヘンとヒンウィルの統合はどこまで進んでいるのでしょうか。
ミュンヘン/ヒンウィル発
2005年12月22日
BMWモータースポーツディレクター、マリオ・タイセン氏インタビュー
"最初の段階は、順調に進んでいます"
BMWがザウバーの持ち株の大多数を取得してから、今日でちょうど半年が経ちました。ミュンヘンとヒンウィルの統合はどこまで進んでいるのでしょうか。
BMWモータースポーツディレクターのマリオ・タイセン(以下、タイセン):「2社を統合することは、当然ながら非常に複雑です。しかし、関係者全員の献身と強固な意思の
おかげでうまくその段階を完了し、現在は目の前にある仕事に集中しています。組織を構築し、責任を割り当て、リソースと仕事の手順を明確にしました。現在はその実施段階に
あります」
100人以上の社員を新たに雇う予定だそうですが、状況はいかがですか?
タイセン:「これは、非常に難しい課題です。時間もかかるし、骨の折れる仕事ですが、着実に進歩しています。我々は既に50人以上と雇用契約を結びました。仕事開始の時期
については通知期間によりますが、従業員は11月から徐々に増えています。1月3日には、BMWザウバーF1チームに20人が入って来ました」
ヒンウィルの設備拡大についてはいかがですか?
タイセン:「これも着実に前進しています。メインビルに別館を建てる予定で、すでに準備は完了しています。現在は当局と綿密に協議を行っており、最終計画書をまもなく提出
する予定です。全てが問題なく通れば、6月には着工できます」
先週のことですが、インテル社もスポンサー企業になるとの発表がありました。チームのスポンサーについて状況を教えて下さい。
タイセン:「我々は、現在の状況に非常に満足しています。インテル社は世界的なブランドであり、BMWグループとインテル社間の協力はF1だけに留まりません。新しいチー
ムは、明確にシンプルで、かつ洗練された存在となるでしょう。これは意図的にスポンサーの数を制限し、車のスポンサー用スペースを大きくしたからです。我々はペトロナス、
インテル、クレディ・スイスという、最高かつ最強とも言えるパートナーを得たのです」
何人ものドライバーと契約を結ばれましたね。
タイセン:「その通りです。しかし焦りはありませんでした。ニック・ハイドフェルドは、我々が以前から目をつけていたドライバーでしたし、彼のことは今年のウィリアムズ
で、強力な分析的アプローチを持った速いドライバーだという印象を持っていました。状況に応じてサーキットで攻撃を仕掛け、その上エンジニアに適切かつ詳細なフィードバッ
クを提供できる優れたドライバーです。
ジャック・ヴィルヌーブに関しては、パフォーマンスを慎重に評価しました。昨シーズンの前半は、様々な理由が重なって厳しい結果になりましたが、その後著しい進歩を遂げま
した。そして彼は、BMW V8エンジンを搭載したザウバーC24Bのテストで我々に良い印象を与えました。今後の伸長を確信しています。また、テスト及び代理ドライバー
としてロバート・クビカと契約しました。彼は2005年にルノーから世界選手権に出場し、F1の初テストで我々に強力な印象を与えたのです」
BMWのP86 V8エンジンを搭載したザウバーC24Bの初テストの印象は?
タイセン:「暫定車の製作は我々にとって非常に重要でした。サーキットでP86エンジンのテストを行いたかったというのもありますし、エンジン全体の環境(冷却、油圧、電
子機器など)の微調整の問題もありました。スペインでのテストでは、予想通り3つのテスト全てにおいて要求通りに走るというわけにはいきませんでしたが、エンジニアは限ら
れた時間内に調整を行うことが出来ました。我々はこの結果に満足していますし、ミュンヘンとヒンウィルの人々が一緒に働いている姿を非常に前向きにとらえています。ここに
は、効率的かつ目標に向かって仕事ができる空気があります。バレンシアで新生BMWザウバーF1チームが発表される1月17日に合わせて、新しい車も発表されます。それが
技術的にも素晴らしい車になるだろうと確信しています」
この6ヶ月を振り返って、どのような感想をお持ちですか?
タイセン:「我々は懸命に働いてきました。統合を進め、暫定車を製作してテストを行い、ドライバー達と契約、スポンサーと契約、50人以上の雇用契約を行いました。最初の
段階は順調に進んでいます。これは決して我々の思い違いではありません。この先、まだまだ長い道のりですが、辛抱強く慎重に乗り切っていきます」