BMW Groupのテストセンターが、スウェーデンのアリエプローグにオープン

ミュンヘン／アリエプローグ発
3月20日、スウェーデンのアリエプローグにBMW Groupの新しいテストセンターがオープンしました。建設期間は10ヶ月、北極圏から約55Km離れたスウェーデン
の北部に位置するこのテストセンターには、BMW、MINI、ロールスロイスブランドの新しい車両やモデルの統合的な開発に最適な設備が整っています。アリエプローグに独
自のテストセンターを開設したのは、BMW Groupが初の自動車メーカーとなります。

経済的にまだ十分発展していないノルボッテン州の新都心に、BMW Groupは約1600万ユーロを投資しました。今後もテストセンターの強化として更なる投資が予定さ
れています。新しいテストセンターでは11の正社員職に加え、テストルートの準備はもちろん、エンジニアの食事や宿泊をサポートする現地サービス会社が多数協力していま
す。

アリエプローグに新しいテストセンターがオープンしたことにより、BMW Groupは1つの場所で冬季のテストの全てを行うことができます。今後は駆動系、シャシー系、
補助系など、様々な分野のスペシャリスト達が一同に介して1つの車両のテストを行います。さらに、システム供給分野の担当者が開発に加わることも容易になります。例えば、
ミュンヘンにあるBMW Groupの研究開発センター（FIZ）で通常行われている統合開発試験を、アリエプローグで行う場合もあります。BMW Groupのエンジニ
アにとってはよりスピーディーでより効率的な開発プロセスであり、顧客にとっては車両品質が更に向上するというメリットがあります。

現代的な作業場、完璧なテストルート、そして常冬。
このテストセンターはBMW Group専用の施設であり、エンジニアに完璧な環境かつ最適なロジスティクスを提供しています。オフィス、会議室、作業場、車両ホールは柔
軟かつ集中的に作業ができるよう設計されました。2つある作業場の収容人数は50人です。そして暖房付きのガレージには25台、暖房無しのホールには60台、屋外駐車場に
は60台の車が停められ、そのうち80台分にはエンジン・ウォーマーコネクションが備えられています。また、車をマイナス30°まで冷やすことができる人工気候装置が8つ
取り付けられています。

740Mのサーキット、3.2Kmにわたる暖房ライン。
28ヘクタールの試験場には、全長740Mのテストサーキットと、アスファルトの路面を暖めたり冷やしたりできるダイナミック・ドライビングエリア、勾配10～25％のス
ロープ、そして路面が変化して走行やブレーキを様々な状態でテストできるテストルートがあります。テストルートの路面の温度を調節するために、全長3.2Kmにわたる暖房
ラインと1.8Kmの冷却ラインが設置されています。また、近くには氷で覆われたカケル湖があり、テストドライバーはアイストラックでスピンの実験を行うこともできます。

スウェーデン政府がBMWを全面的にサポート。
氷と雪に覆われたスウェーデン北部のノルボッテン州は、高度なテストプログラムに人材や資材だけでなく、理想的な環境も提供しています。具体的には、温度を一定に保つこと
でテスト条件に再現性を持たせ、有意義なデータを得ることができます。北極圏での車両テストには長い伝統があります。30年前、アリエプローグにて新しいBMWモデルの寒
冷試験を実施しました。その後、この地方は他の自動車メーカーにとっても冬季テストに絶好の地となったのです。そしてBMW Groupは、初めてこの地に専用テストセン
ターを開設しました。これにより、この地方はテストエリアとしての地位を確立し、長期的な経済効果を生んでいます。BMW Groupは、約1600万ユーロを新しいテス
トセンターの建設に投資しました。これに対しスウェーデン政府は15％の助成金を出し、このプロジェクトをサポートしました。建物と資材は地元スウェーデンの会社の協力を
得て、そして現地の人に対し11の正社員職を用意しました。
これに加えてBMW Groupは、テストエリアの整備の他にもエンジニアの食事や宿泊など現地採用の雇用を多数確保しています。11月から4月までの間、アリエプローグ
には少なくとも100人のBMW Group社員が駐在していますが、各テストプログラムにかかる期間は約2週間なので絶えず人員が変わります。そのテスト内容は多岐にわ
たります。メインのテストシーズンである1月から3月までは、エンジニアの数は200人にまで増員されます。