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EU、未来のテクノロジーとして水素内燃機関を支持 EUのHyICEプロジェクトが、水素協力において史上初の成功を収める
Tue Mar 06 00:00:00 CET 2007 プレスリリース
ミュンヘン/ブリュッセル/ワシントン発(2007年2月27日発表): ヨーロッパで10組のパートナーが参加するHyICE(Hydrogen Internal Combustion Engine、水素内燃機関の最適化)プロジェクトの開始から3年、ついに本プロジェクトが完了しました。欧州委員会が推進する本プロジェクトにより、パフォーマンスとコストの両面で、他の推進システムよりも明らかな利点をもたらす水素を燃料とする内燃機関が完成しました。プロジェクトチームは自動車業界、自動車サプライヤー、そして2校の大学で構成されています。BMW Groupのリサーチ&テクノロジーが調整役を担った本プロジェクトでは、混合気形成の2つのコンセプトを構築し、市バスと乗用車のエンジンに採用され、必要となる主要部品も開発されました。さらに、将来の量産エンジンの発展をサポートするために、関連するシミュレーション・ツールも水素燃焼用が導入されました。また、ヨーロッパ最高の水素の専門家は、米国エネルギー省の研究員と定期的にお互いの調査結果を共有しました。これにより、HyICEが欧州委員会で初のプロジェクトとなったのです。
プレス担当者.
Yosuke Shiroshita
BMW グループ
電話番号: +81-3-6259-8017
Fax: +81-3-6259-8009
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著者.
Yosuke Shiroshita
BMW グループ
ミュンヘン/ブリュッセル/ワシントン発(2007年2月27日発表): ヨーロッパで10組のパートナーが参加するHyICE(Hydrogen Internal
Combustion Engine、水素内燃機関の最適化)プロジェクトの開始から3年、ついに本プロジェクトが完了しました。欧州委員会が推進する本プロジェクトによ
り、パフォーマンスとコストの両面で、他の推進システムよりも明らかな利点をもたらす水素を燃料とする内燃機関が完成しました。プロジェクトチームは自動車業界、自動車サ
プライヤー、そして2校の大学で構成されています。BMW Groupのリサーチ&テクノロジーが調整役を担った本プロジェクトでは、混合気形成の2つのコンセプトを構築
し、市バスと乗用車のエンジンに採用され、必要となる主要部品も開発されました。さらに、将来の量産エンジンの発展をサポートするために、関連するシミュレーション・ツー
ルも水素燃焼用が導入されました。また、ヨーロッパ最高の水素の専門家は、米国エネルギー省の研究員と定期的にお互いの調査結果を共有しました。これにより、HyICEが
欧州委員会で初のプロジェクトとなったのです。
科学・研究担当のEU委員、ヤネズ・ポトチュニク氏は次のように述べています。「HyICEプロジェクトは、化石燃料への依存度を減らすことに対するEUの研究において重
要な役割を果たしています。これは前競争的研究における成功したEU投資の一例であり、潜在的な影響はヨーロッパの境界をはるかに越えています。水素内燃機関で成し遂げら
れた結果により、今後もこのような形で更なるモビリティの発展が促進されるでしょう。環境を保護し、ヨーロッパが国際的な競争の最前線を維持することに大いに貢献してくれ
ました」
2003年3月、当時の研究担当EU委員のフィリップ・バスキン氏と、米国エネルギー省副長官のスペンサー・アブラハム氏は、研究調査結果をそれぞれの大陸でより集中的に
共有することを決定しました。EUにおける本プロジェクトの狙いは、第6次フレームワークプログラムの気候変動やエネルギーなどでの協力促進、そして水素エネルギー源およ
びオルタナティブ・ドライブに対するビジョンの展開でした。
1リットル容積(置換)で100kWのパフォーマンスが実現したことで、HyICEの専門家は水素エンジンこそがパフォーマンスの点で従来のエンジンに見合う未来のテクノ
ロジーであることを証明しました。水素内燃機関に特化し、水素の特性を最大限に活用することができたのはこれが初めてのことでした。これまで水素内燃機関は、水素の基盤が
確立されていないためにガソリンと水素の両方を使用するように設計されていました。今回の新しい技術により、水素の使用を最適化することができます。
グラーツ工業大学、Hoerbiger Valve Tec、MAN Nutzfahrzeuge、Volvo Technology、そしてBMW Groupリサーチ
&テクノロジーでは、混合気形成の2つのコンセプト、直噴と外冷混合気形成の研究およびテストを行いました。どちらの方法でも消費を削減しつつ、パフォーマンスは2倍にな
りました。
BMW Groupリサーチ&テクノロジーとスウェーデンのMecel Engine Systemsは、広範囲にわたる水素の可燃限界を正確に調整できる点火システムを
開発しました。これにより効率性が向上し、消費が削減されました。水素の特性を将来のシリーズ開発に活かすために、IFP(フランス国営石油研究所)とドイツ連邦軍大学
は、シリンダーの水素燃焼の2つのシミュレーションモデルを開発しました。グラーツ工業大学の光学エンジンを使用することで、水素の燃焼性質を観察し、コンピュータを使っ
た計算モデルを確認することに成功しました。これら計算モデルは、ドイツのAnsysが開発した商用計算ツールAnsys CFXに組み入れられました。
大西洋をはさんで両端で行われている活動から最大限の利益を得るべく、ドイツのアーヘンにあるFord Research Centreは大西洋を横断する架け橋となり、
EUの研究者とアメリカの水素スペシャリスト間の研究結果の共有の調整を行いました。米国エネルギー省は、HyICEの他にも米フォードが手がけている水素エンジンプロ
ジェクトも推進しています。その業務はイリノイ州とカリフォルニア州の国立研究所、さらに北アメリカの大学に委託しました。
結論として、BMW Groupリサーチ&テクノロジーのヘッド、レイモンド・フライマン教授は次のように述べています。「内燃機関は、最も高度に発達した工業製品の1つ
です。その開発には100年以上が費やされてきました。低コストと日常のメンテナンスの容易さを兼ね備えつつ、高いパフォーマンスレベルと多様性を発揮します。水素を使用
することで、持続可能なモビリティに成熟した技術的ソリューションを提供しています。将来のモビリティも水素内燃機関を使用し、魅力的な輸送手段のまま変わらないと確信し
ています」