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BMWグループ2008年金利払前税引前利益(EBIT)は9億2,100万ユーロ 厳しい市況の中でグループ流動性を強化 乗用車部門のフリーキャッシュフローはほぼ均衡 事業効率は大幅に改善 金融・経済危機がグループ収益に大きく影響 普通株配当として0.30ユーロを提案
Tue Mar 17 12:00:00 CET 2009 プレスリリース
ミュンヘン発: BMWグループの2008年実績は、厳しい市況の中でよく持ちこたえた形となりました。BMW AGのノルベルト・ライトホーファー取締役会会長は3月12日(木)、ミュンヘンで次のようにコメントしています。「BMWグループはきわめて厳しい経済情勢の中で事業の効率面において改善を果たすことができました。コスト構造をいちだんと最適化したほか、徹底したフリーキャッシュフロー管理により、磐石な財務基盤を整えました。」
プレス担当者.
Yosuke Shiroshita
BMW グループ
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著者.
Yosuke Shiroshita
BMW グループ
ミュンヘン発: BMWグループの2008年実績は、厳しい市況の中でよく持ちこたえた形となりました。BMW AGのノルベルト・ライトホーファー取締役会会長は3月
12日(木)、ミュンヘンで次のようにコメントしています。「BMWグループはきわめて厳しい経済情勢の中で事業の効率面において改善を果たすことができました。コスト構
造をいちだんと最適化したほか、徹底したフリーキャッシュフロー管理により、磐石な財務基盤を整えました。」
ただ、2008年BMWグループ業績は、厳しい経済状況の影響をやはり免れることができず、残存価格リスク(中古車市場の低迷による)や不良債権(合わせて19億
6,800万ユーロ)に対する追加のリスク対策費用、および一時的人件費4億5,500万ユーロの2件の特別支出だけで計24億2,300万ユーロの減益要因となっていま
す。
これにより、BMWグループの金利払前税引前利益(EBIT)は前年比78.1%減の9億2,100万ユーロとなりました(2007年: 42億1,200万ユーロ)。税
引前利益は同90.9%減の3億5,100万ユーロ(2007年: 38億7,300万ユーロ)、純利益は同89.5%減の3億3,000万ユーロ(2007年: 31億
3,400万ユーロ)。グループ売上高は5.0%減の531億9,700万ユーロと、比較的小幅な減少にとどまりました(2007年: 560億1,800万ユーロ)。
2008年度の調整済み売上高EBIT率は6.3%
上述のリスク対策および人件費に伴う特別支出を除いて調整したEBITは33億4,400万ユーロ、売上高EBIT率は6.3%となります。なお、調整前のEBITでは売
上高EBIT率は1.7%です。
第4四半期に多額の特別費用を計上
上述の特別項目について2008年第4四半期に計上された費用は、合計11億2,800万ユーロ。このうちリスク対策費が9億3,100万ユーロ、一時的人件費が1億
9,700万ユーロとなっています。これにより第4四半期のEBITは7億1,800万ユーロの赤字となりました(2007年同期は13億800万ユーロの黒字)。ただ、
これらの特別項目を除くと、4億1,000万ユーロの黒字となります。また、第4四半期の売上高は前年比18.2%減の127億7,200万ユーロとなりました(2007
年: 156億600万ユーロ)。
固定費は減少。原材料費のいっそうの削減を計画
BMWグループは2008年、事業の効率面で大きく進歩し、固定費が減少したほか、購買面でも大幅なコスト削減を達成しました。ライトホーファー会長は「BMWグループで
は、Number ONE戦略の下、2012年までに原材料費を40億ユーロ削減する目標を掲げています」と述べています。
グループ流動性を強化
2008年にはさらに、金融市場の混乱にもかかわらず、BMWグループの流動性がさらに強化されました。現金および有価証券保有額は前年比86.3%増の81億700万
ユーロ(2007年: 43億5,200万ユーロ)。乗用車部門の純有利子資産は2007年の73億5,400万ユーロから90億4,600万ユーロに増加しました。これ
により2009年のスタートに当ってグループの財務基盤は磐石なものとなっています。
ライトホーファー会長は次のように述べています。「BMWグループでは、事業環境の悪化を予見し、需要低下に合わせた生産調整をただちに実施するなど、早期から迅速に対応
することで、運転資本のいっそうの最適化を図りました。これにより在庫も減少しています。」2008年のグループ乗用車部門フリーキャッシュフローは8,100万ユーロの
マイナスと、ほぼ均衡を達成しました。
配当は収益実績に応じて
収益悪化を受けて、取締役会および監査役会では、2009年5月14日に開催する年次株主総会において普通株1株当りの配当0.30ユーロ(2008年: 1.06ユー
ロ)、優先株1株当り0.32ユーロ(2008年: 1.08ユーロ)を提案することとしました。ライトホーファー会長は次のように述べています。「厳しい経済状況におい
ても配当を支払うことで、経営体力に対する自信を示し株主の皆様のご期待にお答えします。」
乗用車部門EBITは6億9,000万ユーロに減少
2008年の乗用車部門のEBITは、残存価格リスクに対する対策および人員削減対策のために総額13億6,300万ユーロを支出したことで大きく圧縮され、前年の34億
5,000万ユーロに比べて80.0%減の6億9,000万ユーロとなりました。税引前利益は前年比90.2%減の3億1,800万ユーロ(2007年: 32億
3,200万ユーロ)。売上高は前年比9.4%減の487億8,200万ユーロ(2007年: 538億1,800万ユーロ)となっています。また、上述の特別項目を除い
て調整したEBITは20億5,300万ユーロ、売上高EBIT率は4.2%(2007年: 6.4%)。なお、調整前のEBITでは売上高EBIT率は1.4%となりま
す。
2008年のグループ販売台数は、厳しい事業環境の中で当然のことながら、昨年の過去最高記録には達しなかったものの、BMW、MINI、ロールス・ロイスの3ブランドを
合わせた総販売台数は前年比4.3%減の143万5,876台となり(2007年: 150万678台)、2007年実績に次いで創業以来2番目の記録となりました。
2008年、自動車業界全体が大きな困難に直面した中でも、BMWグループはMINIおよびロールス・ロイスの2ブランドで過去最高の販売台数を達成することができまし
た。販売台数の前年比減が4.3%と比較的軽微にとどまった主な要因の1つとして、燃費およびCO2排出量の削減を図るBMWグループの「エフィシェント・ダイナミクス」
テクノロジーが挙げられます。BMWおよびMINIのニューモデルはすべてこのテクノロジーを採用しています。2008年のエフィシェント・ダイナミクス搭載車の販売台数
が、欧州だけでも約83万台に達しました。
ブランド別では、BMWブランドの世界販売台数が前年比5.8%減の120万2,239台(2007年: 127万6,793台)と、プレミアム・セグメントにおける競合
メーカー実績を大きく上回りました。MINIは前年に引き続き前年比増となり、過去最高を記録しました。MINIの総販売台数は23万2,425台で、前年比4.3%増と
なっています。
また、ロールス・ロイス・モーターカーズは1,212台(2007年: 1,010台)と前年比20.0%の大幅な伸びとなりました。ロールス・ロイスの販売台数はこれに
より5年連続の増加となり、ウルトラ・ラグジュアリー・セグメントにおける紛れもないトップブランドとしての地位を維持しました。
モーターサイクル部門のEBITは6,000万ユーロ
モーターサイクル部門でも厳しい事業環境が収益に影響を及ぼし、EBITは前年比25.0%減の6,000万ユーロ(2007年: 8,000万ユーロ)、税引前利益は同
28.2%減の5,100万ユーロ(2007年: 7,100万ユーロ)、また、売上高は同0.2%増の12億3,000万ユーロ(2007年: 12億2,800万ユー
ロ)でした。BMWモトラッドの2008年販売台数は前年比0.8%減の10万1,685台(2007年: 10万2,467台)と、世界のモーターサイクル市場が低迷す
る中、前年の過去最高とほぼ同水準となりました。
金融危機の影響を受けたファイナンシャル・サービス部門の収益
ファイナンシャル・サービス部門の2008年収益は、残存価格リスクや不良債権に対するリスク対策費用10億5,700万ユーロを計上するなどの要因により大きな打撃を受
け、税引前損益は2億9,200万ユーロの赤字となりました(2007年: 7億4,300万ユーロの黒字)。特別項目を除いて調整した税引前損益は7億6,500万ユー
ロの黒字、株主資本利益率は19.1%(2007年: 18.1%)となります。一方、売上高は前年比12.8%増の157億2,500万ユーロ(2007年: 139億
4,000万ユーロ)を記録しました。
新規自動車ローン契約総額は前年比3.1%増の293億4,100万ユーロ。BMWおよびMINI新車のローン全体にファイナンシャル・サービス部門によるローンが占める
割合は48.5%と、前年より3.8ポイント上昇しました。最大の要因はローン融資比率の上昇です。リース融資は前年とほぼ同水準で推移しました。
設備投資は前年を下回る
設備投資は前年比1.5%減の42億400万ユーロとなりました(2007年: 42億6,700万ユーロ)。設備投資は主に、BMW 7シリーズ、Z4、X1、
MINIコンバーチブルといったニューモデルの生産開始にともなう製品投資とインフラストラクチャー投資です。有形固定資産や無形資産に対する設備投資は前年比1.6%増
の29億8,000万ユーロ(2007年: 29億3,400万ユーロ)。さらに、IFRSで資産とされる開発投資は、前年比8.2%減の12億2,400万ユーロとなり
ました(2007年: 13億3,300万ユーロ)。これにより資本比率は前年(42.4%)とほぼ同じ42.7%となっています。
従業員の削減
人員削減につきましては、すでにお知らせした人事関連措置や、事業部門の売却、それに退職や期間契約の終了などによるものです。2008年末の全世界の従業員数は前年比
7.0%減の10万41人となっています(2007年12月31日: 10万7,539人)。12月末までに自主退職合意書に署名した従業員は約4,000人。さらに、
サークエント・グループをNTTデータに売却したことを受けて、約1,800人分のポストが削減されました。なお、年末現在の研修生数は4,102人と昨年同様高いレベル
にあります(2007年12月31日: 4,281人)。
* * *
BMWグループの2008年決算についての詳細は、3月18日、ミュンヘンで開催する年次決算記者会見でお知らせいたします。
BMWグループでは財務報告情報の透明性をいっそう高めるべく、2008年度の早い段階でIFRS 8を採用(2009年初めから義務付け)するとともに、グループ各部門
に関するその他の情報も自主的に開示してきております。関連情報については、BMWグループ・ウェブサイト(www.bmwgroup.com/IR)の
Investor Relationsの部をご参照下さい。
2008 2007 増減(%)
車両生産台数
自動車 1,439,918 1,541,503 -6.6
内訳:
BMW 台 1,203,482 1,302,774 -7.6
MINI 台 235,019 237,700 -1.1
ロールスロイス 台 1,417 1,029 37.7
モーターサイクル 台 104,220 104,396 -0.2
納車台数
自動車 1,435,876 1,500,678 -4.3
内訳:
BMW 台 1,202,239 1,276,793 -5.8
MINI 台 232,425 222,875 4.3
ロールスロイス 台 1,212 1,010 20.0
モーターサイクル 台 101,685 102,467 -0.8
期末従業員数1 100,041 107,539 -7.0
売上高 百万ユーロ 53,197 56,018 -5.0
設備投資 百万ユーロ 4,204 4,267 -1.5
キャッシュフロー2 百万ユーロ 4,471 6,246 -28.4
金利払前税引前利益(EBIT) 百万ユーロ 921
4,212 -78.1
内訳:
自動車 百万ユーロ 690 3,450 -80.0
モーターサイクル 百万ユーロ 60 80 -25.0
調整勘定 百万ユーロ -216 717 -
税引前利益 百万ユーロ 351 3,873 -90.9
所得税 百万ユーロ -21 -739 -
純利益 百万ユーロ 330 3,134 -89.5
1株当たり利益3 ユーロ 0.49/0.51 4.78/4.80 -
優先株1株当り ユーロ 0.30/0.32 1.06/1.08 -
1 当該年度中に雇用契約が終了した従業員、定年退職を前にパートタイム勤務に移行した従業員などを除く。
2 自動車部門。
3 IAS第33条に基づく普通株/優先株1株当たり利益。