F1 日本グランプリ - 2002 年 10 月 11、12、13 日 - プレビュー

米国インディアナポリスで開催された F1 世界選手権第 16 戦において、今シーズンの BMW WilliamsF1 チームの戦績は、コンストラクターズ ランキ
ング（チーム順位）第 2 位の座が確定しました。この記録により BMW WilliamsF1 チームは、昨年度の第 3 位から一歩前進したことになります。

マクラーレンとのコンストラクターズ ランキング争いが決着したにもかかわらず、BMW WilliamsF1 チームのドライバー、ファン・パブロ・モントーヤとラル
フ・シューマッハは、ドライバーズ ランキング（ドライバー順位）第 3 位の座をかけて、ここ日本でマクラーレンのデヴィッド・クルサードと三つ巴のバトルを展開しま
す。

鈴鹿サーキットはパワー重視の高速サーキットであるため、WilliamsF1 （シャシー）と BMW （エンジン）の組合わせには適したコースであろうと予想されてい
ます。モントーヤはドライバーズ ランキングで 3 位を争っている 3 人のドライバーのトップに立っていますが、ラルフ・シューマッハはこのコースの最速ラップ
（1'36.944）を持っています。ユニークな「8 の字」サーキットは昨年から改修されているため、最終レースの結果にかかわらず、この最速ラップを記録した栄誉はラ
ルフに輝いています。また、このレースはラルフの第 100 戦目のグランプリにあたるため、鈴鹿サーキットはラルフにとって記念すべきサーキットになります。

ファン・パブロ・モントーヤ：
鈴鹿サーキットは好きだよ。お気に入りのコースの一つさ。高速なところがスパ（スペイン）に似ているし、頻繁に方向転換しなくてはいけないので、ボクのドライビング スタ
イルに合っているよ。F1 に参戦したばかりの昨年は第 2 位でフィニッシュしているので、今年はかなり自信がある。ただし、日本でフェラーリに追いつくことができたら
驚きだけど。

先週開催されたアメリカ GP で、僕たちはコンストラクターズ ランキングで目標だった第 2 位の座を確保したけど、ドライバーズ ランキングはまだ決着していない。
チャンピオンが決定した後に日本を訪ねるのは残念だけど、日本のファンがいつものようにエキサイティングに応援してくれることを期待しているよ。日本のファンは驚くほど情
熱的だからね。

ラルフ・シューマッハ：
F1 カレンダーの中に僕のお気に入りのコースがあるかどうかは分からないけれど、鈴鹿は僕の好きなサーキットの一つだ。S 字コーナーと超高速 130R は、F1 で
設定される最も過酷なコース コンビネーションだと思うよ。マシンとドライバーにとって、本当に過酷な相手だ。

僕は BMW のマーケティングのため、レースの 1 週間前に東京に入る予定だ。1996 年にフォーミュラ ニッポンに参戦してからは、日本に滞在するのが楽しみだ。
できれば、このレースの結果で今シーズンの有終の美を飾って、来年こそフェラーリとの差を縮めるために不可欠なモチベーションを与えてくれることを願っているよ。

サム・ミハエル（WilliamsF1、チーフ オペレーション エンジニア）：
今シーズン最後のレースになる鈴鹿は、最もエキサイティングなサーキットの一つだ、スパと同じくらいにね。スタートして最初に来る流れるような複合コーナー、それにヘアピ
ンやシケイン、あの名高い高速の 130Ｒ は、いずれもドライバーに高い能力を要求するし、リズムこそが鈴鹿を速く走るための重要なポイントだ。鈴鹿サーキットで高速安
定性を確保するためには、通常よりもダウンフォース（車体を路面に押し付ける力）を高く、サスペンションを硬めにセッティングする必要があるし、ヘアピン コーナーとシケ
イン（小さな複合コーナー）の 2 箇所でのブレーキングも重要だ。タイヤ メーカーのミシュランは前回 2 戦のグランプリから一段と良い方向に進歩しているし、昨年ミ
シュランは強力なタイヤを日本に持ち込んできた。この傾向が今年

も続くものと確信しているよ。

ダウンフォースを得るためにウィングを立てようとすると、エンジン パワーが重要になる。また、この局面では追越しが難しいが、シケインでは大きなチャンスが巡って来る。
このレースでは、燃費の不利さとタイヤの劣化から、通常 2 ストップ作戦になる。

ゲルハルト・ベルガー（BMW モータースポーツ ディレクター）
鈴鹿とスパは、現在予定されている中で最も素晴らしい F1 サーキットだと私は思います。特に鈴鹿は、ドライバー、シャシー、エンジンにとって極めて過酷なサーキットで
す。ドライバーとして、鈴鹿はいつも私のお気に入りのコースの一つでした。1987 年と 1991 年に、私は 2 度優勝しています。とは言っても、このコースがフェ
ラーリ向きだと思い込んでいるわけではありません。この差を縮めるには、技術的に大きく躍進する必要があります。結果として、今シーズンの最後は、皆が 2003 年度の
シーズンの準備に集中しながら迎えることになるでしょう。エンジンに関する限り、進歩したことに満足しています。9 月 18 日にバルセロナで、私たちは全く新しい
P83 エンジンの初テストを行いました。

データ 鈴鹿市は、日本の本州南東側、三重県にあります。鈴鹿市の主な産業は、食品、繊維、およびホンダの組立工場に集中しています。現在の市の人口は約
184,000 人です。また、鈴鹿市には、医科大学が一校と、多くの寺院や神社があります。 鈴鹿サーキットは、鈴鹿ランドのまさに中心部にあります。この鈴鹿ランド
は、近くのホンダの工場で働く従業員やその家族の娯楽用として設立されたテーマ パークです。 F1 では珍しい 8 の 字レイアウトのサーキットに、非常にタイトなス
プーン カーブから高速の 130R まで、考えられるあらゆるタイプのコーナーが設定されています。 1987 年以来、鈴鹿サーキットは日本グランプリのホーム コー
スになっています。それ以前は 1976 年と 1977 年に、2 つのレースが富士スピードウェイで開催されました。F1 レースを

開催した他の日本のサーキットには TI サーキット英田があり、ここでは 1994 年と 1995 年にパシフィック グランプリが開催されています。2002 年度
のイベントは、鈴鹿で開催される第 18 戦目のグランプリであり、これは日本で開催される 22 回目のグランプリになります。
鈴鹿サーキットは、これまでにレースだけではなく、チャンピオン争いにおいても、壮絶なバトルが繰り広げられてきた開催地です。1987 年、鈴鹿サーキット初のレース
で、WilliamsF1 のドライバー、ネルソン・ピケが第 3 回目の年間ドライバーズ チャンピオンを決めた舞台となりました。そのレースはフェラーリのゲルハル
ト・ベルガーが優勝しています。フランク・ウィリアムズにとって、1994 年のレースは最も記念すべきレースでした。デイモン・ヒルは、豪雨による中断で 2 ヒートに
分かれたレースでミハエル・シューマッハを破り、ドライバーズ ポイントを同点として、タイトル争いをアデレード（オーストラリア）に持ち越しました。これは
WilliamsF1 の日本における 3 勝のうちの 2 勝目にあたり、デイモンにとっては2 勝のうちの 1 勝目にあたりま
す。デイモンは、1996 年に鈴鹿で 2 勝目をあげています。 2000 年度日本グランプリの予選の最中に、F1 パドックは弱い地震を経験しました。 鈴鹿サー
キットは、ランオフ（退避用）エリアの拡張のため数回変更された後、最近になって全長 5.821 km に短縮されました。すでに昨年度のレースでは、緊急時でも素早く
コースに出入りできるようにランオフ エリアが拡張され、新たに平行して通路が建設されました。また、カメラマンもコースに近づきやすくなっています。2001 年には、
ピットの上にある招待用エリアなどパドックが改修され、ピットの数が増え、メディア センターが拡張されています。 ラルフ・シューマッハは、昨年度のコース全長が
5.859 km の時に、最速ラップ 1'36.944 秒（217.573 km/h）を樹立しています。優勝者のミハエル・シューマッハは予選

タイム 1'32.484 秒（228.065 km/h）でポール ポジションを獲得しています。
2001 年度のレースでは、ファン・パブロ・モントーヤとラルフ・シューマッハは、それぞれスターティング グリッドの 2 番手と 3 番手でした。 昨年の日本グ
ランプリは、BMW WilliamsF1 チームの強さが顕著なシーズンとなる最高のエンディングで、二人のドライバーはともにポイントを獲得しました。モントーヤは
2 位に入り、チームとしてシーズン 9 回目の表彰台となりました。ラルフ・シューマッハは、シケインをショート カットしたとして、ピット ロードで 10 秒間のペ
ナルティ ストップが課され、6 位でフィニッシュしました。 53 周で行われる今回のレースは、総走行距離が 308.317 km になります。 タイヤの劣化
が早いと予想されるため、17～24 周目と 35～40 周目にピット ストップを行なう 2 ストップ作戦だと思われます。 レースは10 月 13 日（日）、午

後 2時 30 分にスタートする予定です。

ラルフ・シューマッハ #5 ファン・パブロ・モントーヤ #6
生年月日 75/06/30 ‐ ヒュルト（ドイツ） 75/09/20 - ボゴタ（コロンビア）
国籍 ドイツ コロンビア
住居 ザルツブルク（オーストリア） モンテ カルロ（モナコ）
配偶者の有無Marital status コーラと結婚、長男（デイヴィッド）avid) コニー・フレイデルと婚約
身長 178 cm 168 cm
体重 73 kg 72 kg
F1 デビュー 1997 年 メルボルン 2001 年メルボルン
GP 出場回数 99 33
ポール ポジション 1 回 10 回
優勝回数 4回（01 サンマリノ、カナダ、ドイツ、02 マレーシア） 1回（01 イタリア）
合計ポイント 177 78
2002年ポイント 42 (4 位) 47 (3 位)
ファステスト ラップ 6回 6回

2002 予選 決勝 予選 決勝
オーストラリアGP 3 位 事故 6 位 2 位
マレーシアGP 4 位 1 位 2 位 2 位
ブラジルGP 3 位 2 位 1 位 5 位
サンマリノGP 3 位 3 位 4 位 4 位
スペインGP 3 位 11 位 4 位 2 位
オーストリアGP 2 位 4 位 4 位 3 位
モナコGP 4 位 3 位 1 位 リタイア
カナダGP 4 位 7 位 1 位 リタイア
ヨーロッパGP 2 位 4 位 1 位 リタイア
イングランドGP 4 位 8 位 1 位 3 位
フランスGP 5 位 5 位 1 位 4 位
ドイツGP 2 位 3 位 4 位 2 位
ハンガリーGP 3 位 3 位 4 位 11 位
ベルギーGP 4 位 5 位 5 位 3 位
イタリアGP 3 位 リタイア 1 位 リタイア
アメリカGP 5 位 16 位 4 位 4 位

ロイター通信社は、編集用として BMW WilliamsF1 チームに著作権フリーの写真を提供しています。これらの写真は、
www.bmw.williamsf1.com のサイトで閲覧することができます。これらの写真の使用を希望される場合は、ロイター通信社のStephanie
Jordan：ステファニー・ジョーダン（E メール：stephanie.jordan@reuters.com）にご連絡ください。高解像度のコピーをお送りしま
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