BMWグループ、スパータンバーグ工場（米サウス・カロライナ州）を拡張へ

• 2016年までに10億ドルを投資
• 生産能力を450,000台に増強
• 800人の新規雇用を創出
• 新型BMW X7の投入によりXファミリーを拡張
• 新型BMW X4も同工場で生産を開始

ミュンヘン/スパータンバーグ発: 

BMWグループは、米サウス・カロライナ州スパータンバーグ工場の生産能力を拡大する。BMW AG取締役会会長ノルベルト・ライトホーファーは3月28日（金）、米国でのBMW生産開始20周年記念特別式典に出席し、次のように述べた。「BMW Xモデルに対する世界需要が好調に推移しているため、スパータンバーグ工場に対し、2016年までに10億米ドルを投資することとした。これにより年間生産能力は現在の30万台から50％増となる45万台に増強される。」

この式典は同工場構内で執り行われ、ペニー・プリツカー米商務長官、サウス・カロライナ州知事ニッキー・ヘイリーのほか、BMW AG生産担当取締役のハラルド・クルーガーとBMWスパータンバーグ工場長のマンフレート・エアラッハーなどが臨席した。

BMW X7をスパータンバーグで生産へ

スパータンバーグ工場はBMW Xモデルの生産を中心とした拠点であり、これまでBMW X3、X5、X5 M、X6、X6 Mを生産しているが、28日の式典はこれに加えてBMW X4の生産開始を祝うものとなった。ライトホーファーはさらに、Xモデルファミリーをいっそう拡大すると発表した。「BMW X7はこれまでより大型のXモデルとして開発するもので、これを米国工場で生産し、世界の各市場へ向けて送り出すということは、BMWの米国に対するコミットメントを改めて明確に示すものだ。」

生産担当取締役のハラルド・クルーガーは式典の中で、BMWグループの生産戦略全体に対する米国の重要性について次のように述べた。「BMWグループでは、すべての市場と大陸の間でバランスの取れた成長を目指している。13カ国に生産拠点と組立拠点28カ所を展開するBMWの世界生産ネットワークの中でスパータンバーグ工場は重要な骨組みのひとつであり、収益性を保ちつつ、グローバル規模でバランスの取れた成長を実現する上で大きく寄与している。」

クルーガーはさらに次のように述べた。「BMWスパータンバーグ工場は、『生産は市場に従う』というBMWの実績ある戦略の最良の実例だ。サウス・カロライナ州はBMWの20年にわたる米国事業展開の中で信頼できる貴重なパートナーとしてBMWを支え、米国をBMWの第二の故郷とする決定的な役割を果たしてきた。」

スパータンバーグ工場人員は8,800人規模へ増加

スパータンバーグ工場はこの拡張を通じて人員規模も大きく増加する。ライトホーファーは、「同工場は拡張により800人の新規雇用を創出し、人員規模は8,800人に増加する。また、BMWの世界生産体制の中で最大の生産能力を持つ工場となる」と説明する。

米国商務省が発表した調査によると、BMWスパータンバーグ工場の年間輸出量は75億米ドルで、NAFTAを除く自動車輸出総額ベースで米国最大。世界市場への輸出台数は総生産台数の約70%となっている。

サウス・カロライナ大学ムーア・ビジネス・スクールによる最新の分析では、サウス・カロライナ州でのBMWグループの活動が同州経済に及ぼす影響は総額約166億米ドル。BMWグループが同州に事業展開することで3万人の雇用が支えられている。同調査ではさらに、BMWグループが同州の経済的地位の維持向上にとって重要であり、技術競争力、製造業の競争力を高め、高い研修水準を確保する役割を果たしていると指摘されている。

スパータンバーグ工場は1994年開業。世界中のBMWユーザー向けにBMW車を輸出し、開業以来の累計生産台数は260万台以上。BMW X3、X5、X5 M、X6、X6 Mをすべて生産しているほか、近い将来には、BMW X5のプラグイン・ハイブリッド仕様車も生産の予定である。同工場の2013年生産台数は29万7,326台。操業日1日当たりの現在の生産台数は約1,100台。現在の人員規模は8,000人程度となっている。