BMWグループが第1四半期に記録的な収益を達成。EBITは19億200万ユーロに増加。税引前利益は18億1,200万ユーロに増加。自動車部門のEBITは17億800万ユーロ。自動車部門のEBIT利益率は11.9%。BMWグループの今期の目標を再確認。

ミュンヘン発

BMWグループは昨年来の好調を維持しており、第1四半期に過去の売上げ記録を更新した。グループ売上高は前年同期比28.9%増の160億3,700万ユーロにのぼった（2010年：124億4,300万ユーロ）。金利払前税引前利益（EBIT）は19億200万ユーロに急増（2010年：4億4,900万ユーロ）、税引前利益（EBT）は18億1,200万ユーロとなった（2010年：5億800万ユーロ）。グループの純利益も12億1,200万ユーロに改善した（2010年：3億2,400万ユーロ）。自動車販売台数は、BMW、MINI、ロールスロイスの3ブランド合わせて38万2,758台と、前年同期に比べ21.3%増加し、第1四半期としては過去最高となった（2010年：31万5,614台）。

「BMWグループは今期、上々のスタートを切ることができました。収益、自動車販売台数ともに第1四半期としては過去最高です。販売台数の増加だけでなく、グループのNumber ONE戦略も、この好業績を支える重要な要因となっています。」BMW AG 取締役会会長ノルベルト・ライトホーファーは5 月4 日、ミュンヘンでこのように述べた。

年間販売台数は150万台を大きく上回り、史上最高となる見込み

グループの年間販売目標は年初に発表されたとおりで、変更はない。ライトホーファーは、「今期は販売台数と収益の両面で記録更新を目指します。BMW、MINI、ロールスロイスの全ブランドで史上最高の販売を見込んでおり、合計台数は150万台を大きく上回ると予想しています」と続けた。自動車部門では年間8%を超えるEBIT利益率を目指す。以上の目標は経済、政治が安定を維持し、世界経済の成長が続くとの前提に立っている。

第1四半期に自動車部門の収益が急増

BMW、MINI、ロールスロイスの3ブランド揃って、第1四半期に過去最高の販売台数を記録した。台数が増加したのみでなく、モデルミックスと販売価格がより最適化され、効率が向上しており、それらが自動車部門の収益の著しい改善に寄与している。自動車部門の第1四半期の売上高は前年同期比34.7%増の143億7,300万ユーロ（2010年：106億7,200万ユーロ）、EBITは17億800万ユーロ（2010年：2億9,100万ユーロ）で、EBIT利益率は11.9%に達した。税引前利益は16億500万ユーロに増加している（2010年：2億2,000万ユーロ）。また、フリーキャッシュフローは16億2,400万ユーロに達した（2010年：3億600万ユーロのマイナス）。

BMWブランドの第1四半期の新車販売は32万1,175台と、前年同期比20.8%増加した（2010年：26万5,809台）。中でもニューBMW 5シリーズが好調で、前年同期の2倍以上にあたる8万5,423台を販売（2010年：3万9,162台）、クラスで一番人気を維持している。最上位モデルであるBMW 7シリーズも高水準の売れ行きを維持し、前年同期比4.0%増の1万4,817台を販売した（2010年：1万4,245台）。

BMW Xモデルも好調である。BMW X1の販売は第1四半期に前年同期比38.6%増の2万7,238台を記録（2010年：1万9,657台）。2010年10月にリリースしたばかりのBMW X3も相変わらずの人気で、2万2, 693台を販売した（2010年：1万1, 693台）。前年同期比94.1%の増加にあたる。BMW X5はセグメントリーダーとしての座を維持、販売台数は1.1%増加し、2万3,149台だった（2010年：2万2,897台）。

MINIブランドも好調を持続している。1-3月の合計販売台数は6万860台で、前年同期を22.9%上回った（2010年：4万9,526台）。中でも人気を集めているのが、2010年秋にリリースしたファミリー4番目のモデル、MINI Crossoverで、第1四半期の販売は1万6,078台を記録した。市場導入以来の累計はすでに3万台を超えている。MINI Convertibleは前年同期比8.6%増の6,464台だった（2010年：5,954台）。今秋にはファミリーで5番目のモデルとなるMINI Coupéが市場導入の予定である。

ロールスロイス・ブランドの第1四半期の販売は723台で、倍増以上の伸びを記録した（2010年：279台）。その立役者はゴーストである。1-3月のゴーストの販売は566台（2010年：158台）で、市場導入以来の合計販売台数は3,000台に迫りつつある。ファントムも第1四半期に60.6%の急増を示し、106台を販売した（2010年：66台）。

BMWグループの新車販売は、全世界ほとんどの地域でプラス成長となった。ヨーロッパはBMW、MINI、ロールスロイスの3ブランド合わせて20万88台と、昨年第1四半期を13.0%上回った。ドイツが9.0%増の6万4,064台、イギリスが21.7%増の3万9,259台である。イタリア（1万9,007台、8.0%増）、フランス（1万6,422台、13.5%増）、スペイン（1万722台、3.3%増）でもプラス成長を記録した。

北米市場も好調で、第1四半期の販売は前年同期比17.3%増の7万1,257台にのぼった。米国が18.2%増の6万5,163台で、グループにとって最大の単一市場となった。アジアでも高成長が続いている。地域の合計販売台数は9万148台（53.0%増）、うち5万8,706台（71.6%増）を中国が占めた。

モーターサイクル部門が力強い成長

モーターサイクル部門の売上高は第1四半期に前年同期比13.1%増加、3億9,700万ユーロにのぼった（2010年：3億5,100万ユーロ）。EBITは3,100万ユーロで、ほぼ横ばいを維持した（2010年：3,200万ユーロ）。モーターサイクル部門の売上げには、今回からハスクバーナの数字も含まれている。合計販売台数は前年同期比11.4%増の2万5,049台（2010年：2万2,479台）で、内訳はBMWモーターサイクルが2万3,109台（2010年：2万840台、10.9%増）、ハスクバーナが1,940台（2010年：1,639台、18.4%増）である。

ファイナンシャル・サービス部門の売上げも急増

ファイナンシャル・サービス部門も順調な滑り出しをみせている。第1四半期の売上高は前年同期比4.5%増加の41億8,300万ユーロ（2010年：40億400万ユーロ）、有利なファイナンス条件が続いたこともあり、税引前利益は4億2,900万ユーロに達した（2010年：2億2,200万ユーロ）。2011年3月31日現在のリース/ファイナンス契約件数は323万3,567件で、昨年同期に比べ4.1%増加している。1-3月中の新規契約は27万6,856件と、前年同期に比べ13.8%増加した。契約件数の伸びはリースが19.3%、ファイナンスが11.5%で、新規契約の構成はリース30.3％、ファイナンス69.7%となっている。貸倒率は0.55%に低下した（2010年：0.65%）。

グループ従業員は全世界合わせて約9万6,000人

BMWグループの従業員は3月31日現在で9万6,045人を数え、1年前に比べ0.3%増加した（2010年：9万5,787人）。2010年末との比較では0.6%の増加である。

BMW Group 2011年第1四半期業績

1. IAS第33条に基づく普通株／優先株1株当たり利益

BMWグループについて

BMWグループは、BMW、MINI、ロールス･ロイスの3つのプレミアム・ブランドを擁する、自動車およびモーターサイクルのトップ・メーカーの一つであり、世界13ヵ国に24の製造工場を有し、140ヵ国以上に販売網を構築しているグローバルな企業である。

2010年度における自動車総販売台数は146万台、モーターサイクルは11万台となっている。同年度の売上高は605億ユーロ、税引前利益は48億ユーロを計上した。また、2010 年12月末時点における従業員数は約9万5,500名である。

BMWグループは常に長期的な視野と責任ある行動を企業の指針とすることで成功をおさめており、その結果、すべてのバリュー･チェーンにおける環境的および社会的持続性、責任のある製品作り、さらには資源保護に対する明確なコミットメントを企業戦略の不可分な要素として確立している。このような努力が実を結び、BMWグループはダウ・ジョーンズ・サステイナビリティ・インデックスの自動車部門において、6 年連続でトップに選定されている。